姫野雅義さん

 大雨警報の海部川の日曜日から1週間がたち、今日は秋晴れの日となりました。

 その日、川にあそび、川を守り、川にかえった、姫野さんの時間が止まりました。はやすぎる別れをむかえたご家族をはじめとするご友人たちの言いようのないご悲嘆はなんともお慰めするすべがありません。だが、釣り人がひとりたちあがりそのちいさな個人の意志が、世の中をうごかし、人の生き方をかえ、国の制度に変革を迫り、政治的には、市や県議会、県知事をかえ、国の政権交代にまでいたるおおきなうねりをひきおこしてきたことは忘れられません。個人の時間はとまるが、友人や仲間や家族や教え子たち、あるいは賛否をへだてたひとたちも、きざまれた足跡をたどり、その時間と空間をうけついでリレーしていくことでしょう。この「3Bの鉛筆ースケッチオブトクシマ」も、1996年に、吉野川の住民運動に密接にかかわるなかで、市民の声をとどけ対話するコミュニティラジオの一番組として始まりました。
  
 消防警察地域のひとびとには多大なるご迷惑をかけながらも、人は死ぬときはどうしても人のお世話にならないと死ねないことをかんがえると、10数年封じてきたアユ釣りをはじめたよろこびの絶頂の自分の趣味のどまんなかで、しかも、すでに国交省相手の17年にわたる戦いの軍師として可動堰中止の言明をとり吉野川みんなの会もお開きにし、堰の保存と川遊びに軸足をうつし、後継者養成の「川の学校」は全国に川ガキを生み、あこがれの歌手の加藤登紀子に「レボリューション」「川のうた」をささげられ生涯で一回のコンサートといわしめ、同志ともいうべき知人や友人や交流のあった人々が全国から駆けつける中、海部川の清流を4日間堪能したあと、県警や消防の潜水隊でなく、みずから川遊びをおしえた川ガキに発見されるなんて、まことに天地人の絶妙な配合での生きざま死にざまは、男の本望か。

 いやそうではないだろう。ぞんぶんにあそんで、野生の元気をとりもどし、からだとこころに自然からの贈り物をかかえてふたたび日常にかえるためにこそフィールドにいるのは、承知のことでしょう。「人(狩猟民族)は足元が暗くなる前に故郷へ帰るものだ」(萱野 茂)。逝くものは生の岸辺へかえることを強くのぞみながら行く手をたたれ、残されたものは、無念と無惨さの断崖にとどまりつづけるのでしょうか。
 
 ダイナミックな同時代を生きていた時間が過去の追憶となり、これからは現在と未来をともにあゆむことができなくなりました。私たちは、他に類のない吉野川の守護神であり、歴史に残る民主主義の語り部をなくしてしまいました。合掌

 http://himeno.exblog.jp/
 http://www.yoshinogawa.info/school/index.htm

 般若理趣経一巻、光明真言百万遍を読誦したてまつる。
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この記事へのコメント

bacchirin
2010年10月13日 14:39
【姫野雅義氏お別れ会】
日時 11月3日(水•祝)午後2時より 場所 あおいホール川内(徳島市川内町沖島573 TEL 0886651000)
*御香典花輪供物等はご辞退申上げます。
問合せ 09089723990(小畠)

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